用語解説 cloacolith

 あまり見かける事もない英語ですが、“総排泄腔の石”を“cloacolith”と言います。
 いわゆる膀胱結石(cystolith)や胆石(cholelith)についても、-lith(石)を使うので、こうした英単語の訳は“○○に出来る石”であるという理解の仕方で、おおむね間違ってはいません。
 つまり、“総排泄腔に出来る”、総排泄腔に存在する石によって問題が起きた時に、こういう言い方(cloacolith)が用いられます。

 鳥類は尿酸排泄型の生物になるので、鳥類で見つかる結石は(哺乳類とは事なり)尿酸結石です。ただし、そもそも排泄に障害が現れる程の巨大な結石に遭遇する事例自体が珍しいので(大きな結石に成長する前に自然に排泄されてしまうので)、この様な症例(cloacolith)自体が稀です。

 鳥類は総排泄腔より全ての排泄を行う生物なので、哺乳類の様に尿成分のみが膀胱に集まって体外に排出されたりはしません。つまり、鳥類の総排泄腔は、糞道、尿生殖道、肛門道という様に、解剖学的には3つの構造に分ける事が出来るのですが、これらは全て一つの通り道なのであって、哺乳類の様に別々の排出路に別れたりはしていません。
 この時、もしも腸管側から流れてきた異物(特に小石の様な?)による閉塞が起きていた場合であっったとしても、“cloacolith”という表記が使えてしまう事がある様です。具体的には、“cloacolith”について説明している文献を調べていると、あるものは尿酸結石についてのみ取り扱っており、あるものは異物による閉塞の症例が含まれている事があります。

 cloacolith自体が見かけない英単語ですが、上記の理由により、日本語では別々の意味に受けとられてしまう“総排泄腔内の結石”と“総排泄腔内の異物”は、実は同じ“cloacolith”という状態を説明しようとしている場合があります。
 実際に“cloacolith”の症例に遭遇すること事態がとても少ないはずなので、一般の臨床獣医師が“cloacolith”という診断名を使用する事は無いかもしれません。
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ま、いいじゃないか(^^;

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