鳥類の来院の方法について

 ときおり、数年に一度くらい、輸送中のトラブルにより来院時既に死亡しているトリ達というのが現れるので、(その様な事故を回避するために)トリ達を連れて来院する時の方法について、いくつか紹介いたします。

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(図1.ダンボール箱での来院例。上から何らかの蓋をして(暗くして)、トリが周囲の様子に驚き暴れたりしない状態で連れてきたとすると、この方法は最も無難な来院方法になる。往復で数時間程度の移動ならば、通常、餌や水は要らない)

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(図2.ダンボール箱による来院は、ダンボールに穴を開ける可能性のある鳥種を除けば、かなり汎用性の高い、無難な来院方法であると言える。この素材は、保温と保湿性に優れ、衝撃を良く吸収するので、トリ達を守ってくれる事が多い)
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(図3.輸送用のケージによる来院例。このケージは犬猫用に市販されている製品である。内部に居るトリから外が見えない様に、全体が遮蔽されている点に注目(写真左)。この患者には開口呼吸が認められ(写真左)、重度の腹水症が見つかっているが(写真右)、当院までの片道3時間ほどの道のりを無事に到着し、その後に検査と治療を行う事に成功している)
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(図4.鷹狩りに用いる輸送箱の例。箱の内部に居るトリからは、外部で何が起きているかは分からない。自作したものを使用している場合も、市販されている製品を使用している場合もある。鷹狩りに用いられる事のある鳥種は輸送される為の訓練を受けている事が多いので、輸送時のトラブルの発生は他の鳥種に比べると明らかに少ない)
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(図5.小鳥用の輸送ケージの例。この患者は、写真の状態のまま来院したのではない。別の容器にケージごと入れられ、周囲が見えない様にされた状態で連れて来られている。つまり、この患者は、診察室に入室した後に、初めて周囲が見える状態にされ獣医師の前に提出された。患者は呼吸器症状のあるトリだが、非常に良好な状態で診察を行う事が出来た)
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(図6.“興奮”によって状態が悪化した患者の例。症例はフクロウであり、馴致の行ってない個体に対して繋留をイキナリ実施したところ、患者は長時間嫌がり続けた。この時、血液検査を行ってみると、、各パラメーターは繋留前の測定値(左)と比較して非常に悪化していた(右)。輸送に慣らす事を行ってないトリ達に対して、不適切な輸送を行った場合、トリ達の体内で同種のトラブルが発生する場合があると考えられる)

特記事項
上記以外の方法であっても、トリ達が移動中に興奮し続けた状態で来院しないのであれば、どの様な来院方法であっても構いません。
来院の時点で、そのトリが体内に所有していた水分とエネルギーが使い尽くされていた場合、その状態はとても危険な状態です(図6)。
可能な限り水分とエネルギーを消費させない移動、すなわち安静が保たれた状態での移動が理想的です。
トリが剥き出しの状態で来院する事は、馴致のよく出来ている少数の例外的なトリ達以外では、激しい興奮を引き起こすので推奨いたしません。必ず、何らかの容器にトリを入れて、目隠しされた状態で来院してください。
移動中、夏季には冷房、冬季には暖房にも注意してください。
給水は、移動中に水を飲む可能性のあるトリ以外、必要ありません。トリがずぶ濡れの状態で来院しない様に、ケージ内が水浸しの状態での来院にならない様に、注意してください。来院時、当院では全てのトリ達に補液を行ってからお返しする様にしております。
周辺が暗い時間帯の来院の方が、トリ達が落ち付いているかもしれません。
とにかく、最も安全な方法で来院する様にしましょう

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わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

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