副鼻腔炎

 副鼻腔炎は、“くしゃみをするトリ”や“鼻水のトリ”に対して使う事の多い名称です。ただし、“副鼻腔炎”は病名ではなく症状名なので、元となった病気の症状の一つとして、この異常は捉えられていなければなりません。

鼻出血
(図1.ボウシインコの鼻出血。この患者は、副鼻腔炎によって頻繁に自身の鼻の周囲を気にしていた)

 
 副鼻腔炎の発生する原因は、ウイルス、クラミドフィラ、細菌、真菌、原虫などによる感染症、吸入性のアレルギー、喫煙、エアロゾル(噴霧剤)、建物のホコリ、住まいの乾燥などの環境因子による炎症など、実に様々です。したがって、“くしゃみをするトリ”の臨床経過は決して一様なものではなく、急性~慢性、軽症~重症まで、多岐に渡ります。

文鳥ボウシインコ
(図2.副鼻腔に異常のあるトリ達。左;この文鳥は鼻孔の周囲の羽毛が汚れているので、鼻孔からの分泌物(鼻水)がいつも出ていると考えられる。右;このボウシインコには鼻孔の周囲には羽毛が見られないので、慢性的に鼻部を何かにこすりつけていると考えられる)


副鼻腔炎副鼻腔炎
(図3.嘴を切断し、副鼻腔の一部を露出させている。左がウズラ、右がカラスの副鼻腔である。広範囲に膿の貯留や炎症が存在している)

 一見したところ、副鼻腔炎のトリ達には鼻孔の周囲に異常が少し見つかるだけかもしれません。しかし、その奥にある構造は深く広いので、その症状は大量の分泌物や膿の一部が姿を現しているだけの事があります(図2,図3)。

コンゴウインコ
(図4.副鼻腔の位置。鼻孔の周囲を副鼻腔と呼ぶのではない。“副鼻腔”は、頭部の広い範囲に及んでいる)

 ヒトと違い、鳥類の“副鼻腔”の構造は鼻孔の周囲から眼窩を巻き込む広い範囲に及んでいるので、くしゃみをする副鼻腔炎のトリ達は、目や顎にも異常が現れる事がよくあります(図4)。

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(図5.換気の例。トリ達が暮らしている部屋の窓を開放するよりも、鳥かごごとトリ達を屋外に連れ出した方が、換気の効果は高い)

 この問題は換気によって大幅に改善する事が少なくないので、普段からの予防的な換気の実施が奨励されます。

特記事項
“副鼻腔炎”は、なにか別の病気の症状の名前です。
副鼻腔炎の原因は様々なので、その経過は軽症~重症、急性~慢性まで、多岐に渡ります。
定期的な換気は、トリ達の健康を保ちます。
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わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

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