安全性に関する提言

 私達の身の回りにある“ヒトに安全な”品々(しなじな)は、鳥類にとっての安全性が保証されている訳ではありません。また、一度くらいの摂取や暴露が無害だったからといっても、その後何ら有害事象が発生しない事を保証している訳ではありません。

12654359_555500631265263_2631537167303001187_n.jpg
(図1.網猟で捕獲した国産のスズメ。例えば、京都の伏見稲荷では“すずめの焼き鳥”が門前名物として有名である。この食文化は日本中に存在するが、その消費量を国内で捕獲したスズメだけではまかない切れなかったので、国内とは捕獲方法が異なる、外国から食肉として輸入したスズメが提供された。当時(2004年以前)は、業務用スーパーなどでもこの製品は入手出来たが、与えられた猛禽類に中毒症状が現れた事があった。写真のスズメたちは網猟で捕獲しているので、汚染の心配はない)

 
 鳥類は各種の毒素(毒物)に対してヒトよりも高い感受性を有しているので、“ヒトに安全な”量であったとしても異常が現れる事があります。それらを体内に取り入れるには、本来の用途とは関係のない、経口摂取、吸入、暴露のあらゆる経路が候補に挙がる事があります。
 有名なのは、PTFE(テフロン)による吸入毒性です。これらは“こびりつかない”調理器具に使用されており、過熱によって発生したガスによって鳥類に吸入毒性を発揮します。PTFEは、調理器具以外にも私達の生活の至る所で使用されているので、例えば、(絶縁や断熱の目的でPTFEが使用されている)照明器具や加温用ヒーターの使用などによっても事故は発生しています。おそらく、私達の気付かない場所にも使用されているこの素材の使用状況について、全てを把握するのは不可能です。

2016-03-12 16.06.34
(図2.鉄製の調理器具。テフロンが使用して無いので鳥類への安全性は高いと言われるが、屋外で十分な空焼きを行い、ある程度使い込んだ後であっても、油煙の発生の問題は残ってしまうので、完全に安心は出来ない)

 鳥類に中毒を起こす事が分かっている成分の使用や、有害である事が分かっている製品を回避する事は可能ですが、中には思いもよらぬ素材への使用や新しい化合物の出現などがあるので、事前に全てのリスクを回避するというのは、やはり困難がつきまといます。

20090531 (1)
(図3.炭酸飲料。アルカリ性の薬品を経口投与しなければならない場合、使用の直前にこれらの製品と混合して鳥類に与える場合がある。ただし、この時に飲ませるのは特定の製品に決めている。鳥類に対して、どの様な影響が現れるのか分かっていない成分が使用されている製品もあるからである)

 おそらく、最も無難な選択肢は、“動物用”として売られている各種製品を使用する事です。それらは、初めからペットの生き物達が使用する前提で販売されているので、“ひとくち囓っただけで死ぬ”様なトラブルは起きなくて当然ですし、何らかの有害事象が発生している場合、獣医師がその情報を知らされている事の多い製品だからです。
 ヒト用に売られている製品については、メーカーや国の関係省庁が鳥類に関する情報を提供している場合もありますが(農薬など)、情報の開示や有害成分の使用に表示義務がある訳ではないので、何らかの形で鳥類への使用実績のある製品を使用するべきです。この製品とは、各種家電製品だけでなく、調理器具、衣類、植物、食品、医薬品、サプリメントなど、私達の身の回りに存在するあらゆる品々が対象になります。

特記事項
いかなる製品であっても、“ヒトに安全”な製品は鳥類への安全性を保証していません。
特に食餌とサプリメントについては、ヒトが口にする製品は鳥類にとても危険な事があります。
動物用の製品は、どちらかというと安全です。ただし、有害事象が発生した事のある製品は、やはり存在します。
同種の鳥類を飼養している飼育者の使用している製品は、“実績のあった製品”です。
プロフィール

わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
検索フォーム
QRコード
QR