鉤爪の欠損

 ハリスホークやオオタカでは珍しい事ではありませんが、獲物やグローブをしっかりとつかんでいたトリ達の第1趾あるいは第2趾の爪が、とれてしまう事があります。

20101130 00220101130 00120101130 003
(図1.このオオタカは、自らグローブを強く握りしめていたので、飛翔訓練中に飼育者の投擲行為にともない第1趾の爪が抜けてしまった)

 
 こうした爪は、爪で覆われていた軟部組織を乾燥と感染から守り続ける事で、多くは再生します。猛禽類の爪の伸長速度について正確な数字を示している文献はありませんが、その伸長速度はヒトの爪の伸長速度と同様に約 0.1 ㎜/日であると考えられます。
 爪で覆われていた軟部組織が空気に触れ続けていると、患肢は熱感を放ち、トリは足を挙上し続けます。ビオチン(ビタミンH)を経口投与すると、爪の伸長速度が増す事があります(1)。

20101129爪負傷リタイア
(図2.患肢の挙上(右脚)。触れると強い熱感が感じられる)


20110207 00520110219 009
(図3.剥き出しになった軟部組織の被覆は、再生した爪が患部を覆うまで続ける)


20110917 00220110917 007
(図4.293日後。このオオタカの第1趾には、使用に耐えられる爪が再生している)

特記事項
爪が無くなっているのを見つけたら、軟部組織の乾燥が始まる前に、可及的速やかに動物病院を受診して必要な処置受けてください
軟部組織を保護する処置させ済ませてしまえば、飛翔も実猟も問題無く行えます。
患肢の反対側の負担が増すので、バンブルフット(趾瘤症)の予防措置が必要です。

参考文献
1) N.A.Forbes , First Aid and Emergency Care of Falconry Birds, The World of Falconry, July 2013
プロフィール

わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
検索フォーム
QRコード
QR