趾骨の骨折

 趾骨とは、足の指の骨の事です。

2014-02-12 10.37.082014-02-12 11.39.56
(図1.趾骨骨折の例。外観が一見したところ正常に見えたとしても、骨が無事であるとは限らない)

 
 趾骨骨折は、猛禽類が獲物を捕らえた時に起きた事故であるか、繋留中にアンクレットのハトメに趾部が引っかかったり、ジェスが趾部に絡みついて発生しています。

 この骨折は頻繁に起きている事がありますが、いつの間にか治っている事のある骨折です。
趾骨骨折は、趾骨の足底側にある厚い腱鞘に覆われた太い屈筋腱が非常に効果的な副子として機能するので、たとえ関節にまで骨折が及んでいても、固定の為になんらかの装置が必要となる事はほとんど無く、完全な機能回復が期待出来ます。
 好ましくない変位や変形が予想される場合のみ、趾部に外副子を用いる事がありますが、屈筋腱や関節が骨折部位で形成される仮骨に巻き込まれてしまい、足の指が強ばったり機能喪失が生じる原因になる事があります(1)。

第3趾骨折第3趾骨折
(図2.このハリスホークは、カルガモを捕らえた際に獲物ごと樹木に引っかかってしまい、第3趾の趾骨を骨折した)


骨折当日の外観
(図3.図2の症例の骨折当日の外観。趾骨の足底側にある厚い腱鞘に覆われた太い屈筋腱は、それ自体が良好な副子として機能する)


患趾の腫脹冷えると痛い
(図4.図2の症例の場合、腫脹の消退には5ヵ月程度を要している。趾骨骨折の骨折部位の腫脹や疼痛は、自然な癒合を待った場合、固定を実施した場合に比べて長く続く事が多い)


ゴイサギ(リハビリ中)実猟には使用可能
(図5.図2の症例は、腫脹や疼痛の消失には時間がかかっているが、機能上の瑕疵はほとんど認められなかった。写真は、骨折後9日目に実力で獲物を捕らえた時の趾部の様子を示している)

特記事項
趾骨の脱臼との類症鑑別が必要です。患肢の挙上や趾部の変位などが観察される場合は、動物病院を受診しましょう。
激しい熱感や疼痛の出現が予想されるので、反対側の足には過度の負担が発生します。バンブルフット(趾瘤症)の予防措置が必要です
投薬は、熱感や疼痛を緩和します

参考文献
1) 猛禽類,ハト,水鳥マニュアル, p156-p157, 学窓社, 2003
プロフィール

わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
検索フォーム
QRコード
QR