口腔内の異常

 口腔内の異常に気付くためには、普段から、“正常”な口腔内の概観について知っている必要があります。

2014-12-22 15.51.152014-02-11 17.59.24
(図1.左がオオタカで、右がノスリである。舌や粘膜の色調は鳥種によって異なるので、その正常な概観について記憶している必要がある)


 

2015-03-04 20.10.2520081126
(図2.左;正常なハリスホークの口腔内。右;口腔内に見つかった白色病変(“white spot”))

 口腔内に見つかる異常はどれも似通っているので、必ず検査が必要です
 仮に、トリコモナス症を連想する口腔内の白色病変が見つかった場合、その類症には数多くの疾病名が登場します(1)。

 トリコモナス症(Trichomonas gallinae
Capillaria spp.感染症
 カンジダ症
 クリプトコッカス症
 外傷等による口腔内の各種細菌感染症
 ヘルペスウイルス感染症(*脅威となるのは、ハヤブサ類とフクロウ類のみ)
 ポックスウイルス感染症(*粘膜型)
 口腔内への異物の残存

 こうしたトリ達には、それと分かる口腔内病変が認められる事が多いのですが、それ以外にも、食欲不振を呈したり、餌台の所まで飛んでいくのだが餌が減って行かない(あるいは食べようとしない)、肉片をくわえて振り回す(が、飲み込まない)、慎重に肉の小片を食べているといった症状が見つかるかもしれません。
 トリ達は“異常を隠そうとする”傾向が強いので、もしも異常を見つけたならば、トリ達がまだ元気な内に、来院する事をお勧め致します。

2013-12-13 16.20.32
(図3.“血を吐いていた”ハイタカ。実際は、衝突が原因の鼻出血による症状と考えられる。鼻腔内から流れ出た血液が、口腔内を満たしている。呼吸器や消化器に由来する出血や、口腔内の新鮮な傷についても評価される必要があるだろう。こうしたトリ達は、時間が経過してから発見されると、“口腔内に白色病変のある患者”と呼ばれるかもしれない)


20080428 (4)
(図4.トビの舌に見つかった、びらん。外傷による可能性が高いが、寄生虫疾患等、類症はいくつも存在する)


2016-03-17 16.33.00
(図5.口腔内に食物片が刺さったハリスホーク。この基部には、一見トリコモナス症を疑う白色病変が存在した)

特記事項
トリ達は、口腔内に病変があっても平気な顔をしている事が多いので、本当に食餌が採れなくなる頃にはかなり弱っています。出来るだけ早期に異常に気付いてあげましょう。

参考文献
1) Forbes NA, What is that white spot in my bird’s mouth and why doesn’t the internet give me the answers., The World of Falconry April 2013
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わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

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