帯広のペットショップって、本当にでっかいですね

2015-06-14 12.23.21
 6月14日(日)

 晴れ。
 飛行船が飛んでいると、本当に風の吹かない土地なんだって実感します。

 さて、今日こそはのんびりと(^^;
 予定通りの来院をこなし・・・いや、なんか今回、ものすごく儲かっちまいました。

Myiopsitta monachus -Florida -two in tree-8
(Wikipediaより。オキナインコ)

 オキナインコ
 この鳥種は、元々アテローム性動脈硬化症や高脂血症の研究に用いられてきた種であり、高脂血症を発生させる為に飼料中にコレステロールの添加を行った場合、セキセイインコは2%、オキナインコは1%の添加量であるにもかかわらず、オキナインコの総コレステロール値はセキセイインコの5倍、LDL-C(いわゆる悪玉コレステロール)の数値は15倍にも成った事が報告されています。この食餌は、同時に、2ヵ月以内にアテローム性動脈硬化症を発達させます(;セキセイインコも、2%飼料で高脂血症とアテローム性動脈硬化症を発達させますが、オキナインコはより高感受性鳥であるという意味です)。
 この鳥種は、元々“基準値”と呼べる総コレステロール、LDL-C、TGの数値が、他の鳥種に比べると群を抜いて高い事が分かっているので、コレステロールの添加に対する耐性が他の鳥種よりも劣るのでしょう。

 “コレステロール”とは、いわゆる動物性油脂の事であり、常温で固体化しているマーガリンやラードの様な油分をいいます。サラダ油(“コレステロールがゼロ”などのキャッチコピーで売られている理由)などの種子に由来する植物性油脂は、“脂肪酸”になるので、通常の種子食はここまで危険な食品ではありません。ただし、種子食は肥満や脂肪肝を誘導する原因には成るので、やはり、与えすぎには注意しなければなりません。

 アテローム性動脈硬化症は生前診断が難しく、突然死や心疾患の徴候を示した後に死亡したトリ達を、死後剖検すると診断が出来る疾病です。つまり、こうしたトリ達というのはソレまでは“元気だった”はずなので、余程定期的な血液検査を行わない限り、外観から心疾患に気付く事はありません。
 こうした疾病に対してよく言われている予防法は、投薬も大事ですが、“運動の奨励”です。これも、ヒトもそうですが、心臓が悪いかもしれないヒトが激しい運動をする訳にはいかないので、“ジッとしている”代わりに“体を動かす”事が推奨されているという程度で、激しい運動が推奨される訳ではありません。テキスト的に紹介されている方法は、採餌用エンリッチメント(採餌の際に、工夫や運動をしなければ、食べる事の出来ないアイテム)の使用です。例えば、リンゴなどを天井から器具に刺して吊しておき、トリはそこまで飛んで行かないと食べられない(=野鳥がそうする様に、運動をしながら食べている)という事をさせます。

 なかなか、こういうトリの診察をする機会が無いので僕も知識だけでしたが、今回はソレが役に立ちました。

 数値に関する元ネタは、こちら(↓)。まあ、古い研究のデータををまとめ直したモノの様ですが、昨年発表されたばかりの最新版です。いえ、このブログ記事にも、脳みそがひきつけを起こしそうなマトメがいくつか出て来ますが・・・(^^;
Association of Plasma Lipid Levels With Atherosclerosis Prevalence in Psittaciformes
Journal of Avian Medicine and Surgery 28 (3): 225-231. 2014
doi: http://dx.doi.org/10.1647/2013-030

2015-06-14 07.32.322015-06-14 12.02.15

 やっぱ・・・胃が小さくなっているな。朝食だけでお腹いっぱい。
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ま、いいじゃないか(^^;

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