用語解説 VLDL 中性脂肪 トリグリセリド 

 “LDL”と記載されていると、それはすなわち“LDLコレステロール”の事を指していると解釈してしまい、つい誤解しがちですが、脂質の評価に用いているのは“リポ蛋白中に含まれる、コレステロールや中性脂肪の数値”です。リポ蛋白とは、コレステロールや中性脂肪と呼ばれる脂質を、蛋白質と結合させる事で血液中を輸送可能とした、集成物のことです。
 この、忘れてしまいがちな前提が意味を持ってくるのが、VLDL(超低比重リポ蛋白)の評価です。
 
 F式において、TG/5という計算式が登場します。

LDL-CTCHDL-CTG/5

 カイロミクロンに由来するトリグリセリドが存在しない場合、血中TGとは、その殆どがVLDLに存在し、VLDLを構成するコレステロール:TG比が1:5である事から、この様に定められました。つまり、この数値とは、VLDLコレステロール値を中性脂肪の実測値から割り出した値という事になります。
 この数値は、正常範囲にある検体を用いた場合、超遠心分離法とよく相関する事が分かっておりますが(つまり、信頼出来る)、Ⅲ型高脂血症においてはVLDLを構成するコレステロール:TG比が1:5ではなくなり、あるいはカイロミクロンの出現のある検体においては(食後採血検体あるいは糖尿病など)、VLDL以外のトリグリセリドが(大量に)混ざってしまうので、正確ではなくなります(F式は使用出来なくなります)
遊離グリセロール
 本邦では、“中性脂肪”という名称が用いられる事も少なくありませんが、英語文献では当該箇所の名称は“Triglceride(s)”となっており、背景に対する若干の理解が必要です。
 中性脂肪とは、その90%をトリグリセリドが占めます。本邦における“総グリセリド(TG)”とは、遊離グリセロール(右図、オレンジ)を取り除き、(VLDLに含まれている)残るトリグリセリドを測定した値です。米国などでは、この遊離グリセロールを含めて“総グリセリド”と呼んでいるので、その測定値は本邦のソレよりも高い場合があります。LipoTESTでも、各リポ蛋白分画における中性脂肪の数値について提示されますが、この検査では、通常の生化学検査によるTG値(遊離グリセロールを除いた数値)よりも、総グリセリドが高値を示します(→LipoTESTの測定値を用いてF式による計算を行うと、通常の生化学検査によって得られた数値をもちいたF式の計算結果と一致しなくなる)。
 トリビア以上の情報にはならない場合が殆どですが、“中性脂肪(トリグリセリド)”という表記は、この様な背景によって用いられている事は、知っておくと良いかもしれません。

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ま、いいじゃないか(^^;

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