野鳥カルテ



保護3日目のフクロウが、当院に収容された。ガラス衝突。抱卵斑あり、BCS(-1)。
レントゲン検査では著変を認めず、眼底検査では、ペクテンの障害によると考えられる網膜の変性が示唆された。
散瞳後の眼底写真の撮影(これ以上ピントが合わない)、間接眼底検査でも、内部構造の観察がし難い理由として、眼球後部の出血が上げられる。対光反射(+)。dazzle(+)。威嚇(+)。
起立不能が認められ、深部痛覚はほぼ失われていた。
以上の所見から、”頭部外傷”と診断した。
参考。同一の暗所で、やや遠方から撮影したイヌの眼底(↓)。無散瞳で動物がよく動く状態であっても、(異常の無い目なら)この程度に明瞭に内部は観察出来る。

