用語解説 ダニの俗称

 これらは全て、そのダニの身体的特徴や、発見される身体の部位などから呼び習わされている通称で、そういう種類の生物が居る訳ではありません。これは、種や属という、学問上の立ち位置と、世間の人々が、そういう生き物を呼ぶ時の名前が、異なっているという話です。ちょうど、同じ様な森に”サル”という生き物が住んでいたとして、それはニホンザルとカニクイザルであってもいいし、ゴリラとチンパンジーの様な”サル”が居るという話であっていいと言う事です。
 ネットを探しても、そういう話題がキチンと扱われているサイトが無いという事は、同じ様な混乱をする人々がウジャウジャ居るという事になるので、まあ、ソンナ事を断っておきます。類似した和名のダニとかがあっても、そういう話とは、一切関係ありません。俗に、こんな風に言うんだという事です。

tick(マダニ:○○マダニというマダニの種類は、非常にたくさんある)
mite(マダニ以外の小さいダニの総称。多種多様な種類をひとまとめにした通称。英和辞典では”コダニ”と出て来るけれど、あまりアテにならない)
red mite(赤ダニ:見た感じが赤いmiteは、全てこう記される可能性がある)
feather mites(羽毛ダニ:羽毛に寄生するmite)
quill mites(羽軸ダニ:羽軸に寄生するmite)←ウジクダニも同じく俗称(片仮名表記は、生物の種名によく使われる事から誤解が生じやすい)。
英語表記不明(皮膚ダニ)
bird mite(巣ダニ、鳥ダニ:鳥の巣と鳥の体の間で生活環を持っている(生活している)mite。”巣ダニ”は併記されているが、元となった英文表記が不明)
fowl mite(鳥ダニ。ただし、この場合のfowlとは家禽の事。最後は、著者が、どういう括りとして使用しているか次第だが、他の鳥種にも使われている)
itch mite(疥癬。ヒセンダニなど)
acarine dermatosis(ダニ性皮膚病)→ mites (Acari)による皮膚病の総称。Acariは広くダニ類を指している。tickも含んでいるがmiteによる被害を指している事が多い。

 わかりますね?
 ここに出て来る”mite”には、あらゆる種類の小さなダニが入る余地があります。せいぜい、概ね○○という種類が多い程度の話です。騙されてはいけません。
 こういう事が、よく分からないまま本を読んでいると

赤ダニあるいはワクモ(Dermanyssus gallinae)は非常によく見受けられる

という訳を読んで、2種類の生き物を想像します。しかし、原文は

Red mites, (Dermanyssus gallinae) live most of their life cycle off the host.

となっているんですね。はい。ワクモはred miteとも呼ばれているし、red miteは、モノスゴイ色んなダニに対する呼称に過ぎんのです。この英文は、ワクモの(英語圏での)俗称と学名が、併記してあっただけの文なのです。
 全ての分野に於いて該博な知識を持った上で翻訳ッて訳には行きませんので、向こうの本を訳した本を資料にしながら英語文献を読んでいくと、こういうのたくさん見つけてしまうんですね。金払ってるんですけど、僕・・・(ーー;

 前々から、有るにはあった話ですが、鳥類臨床関係のこういう話の修正や用語の理解は、ある程度統一されて行かないとマズイ所まで、情報は氾濫する時代になってきていたんですね。

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ま、いいじゃないか(^^;

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