“子供禁止”

2012-09-27 09.58.45
 9月27日(木)

 晴れ。

 来院5+3。

 動物病院の主役は、一番大事にされるのは、動物でいいと思うのです。

 確かに子供の居る家はありますが、一方で子供の居ない家もあります。
 (子供の居ない家のヒトが)大事に連れてきたハムスター、子供の嫌いな(でも安静にしていなければならない)わんこ・・・そこに子供が放されたら、どういう事になるのでしょう?
 大きな声で叫ぶ、突発的で落ち着かない行動・・・どの生き物も、余所の家のヒトも、かならず、子供が作り出すストレスに耐えられるという訳ではありません。

 病院には、もちろん高価な機材もありますし、その辺に置いてあるモノが、不用意にいじられて良いモノである保証はありません。

 大人しくしていられる子は、居ます。
 出来ない子も居ます。
 出来る子と出来ない子が、キチンと色分けされている訳でもありません。
 幼いから駄目な訳でも、中学生になったから大丈夫な訳でもありません。
 僕には、区別が付きません。

 院内、駐車場、生き物が見える事がありますが、それらはヒトに慣らしてある訳ではありません。
 わざわざ、立ち入り禁止のフェンスを乗り越えてまで、中を見ようとする子。石や枝を投げ込む子。常識ではあり得ない事ですが、子供には普通の事だとも思います。
 ただし、動物病院で一番大事にされているのは、あなた達のお子さんではなく、動物達です。
 病院建物、敷地内、どこにも、子供が好き勝手に遊べる場所は、ありません。

 当然、それらの子供達の一挙手一投足に注意を払いながら、正常な診療行為を行う事は、不可能です。

 この17年、悩んだ末の結論です。
 当院では、15歳以下のお子様連れの来院を、原則禁止します


2012-09-27 08.35.23

『Surgeon(サージャン) 3号』
 動脈管開存症の特集。
 実際には、開胸術のアプローチに興味があって、熟読した。
 懐かしい文献です。

 ここに、麻酔下の調節呼吸が紹介されておりまして、“呼吸回数は○回/分、一回換気量は○-○ml/kg、気管内圧は○-○mmHg”などと、記載されているんですね。
 一方で、この雑誌に(自分の所で使っている)人工呼吸器の説明書なんかが、挟んでありまして・・・
 “一回換気量設定値”なんてページに、印が付けてある。

 つまり、この文献を読んで、10㎏の犬に対して100ml程の換気量が必要であるというならば、“設定値”を100mlにすれば良いのだろう・・・と、当時やったんですが、なぜか肺が膨らまない。
 コレでは流石に死んでしまうはずだ、どうしよう(?)ってなもんで、色々試したり、業者に聞くんですが、上手く行かない。
 とにかく、数字が提示されているモノですから、そっちを守るべき・・・と、長い間思っておりました。
 この呼吸数や換気量の記載は、しばらくあちこちの文献で見かけたのですが(よくよく考えると、どこの機械を使っているのかも書かれていないのに?)、最近では、そういう事を断っている文献を、見た事がありません。
 なぜか?

 蛇管の長さとか、その病院で使っている麻酔機器によって、はるかに高い“設定値”を設定しないと、充分な気管内圧が保たれず、胸が膨れない、呼吸が成立しないなんていう事が、当たり前だっていう事が、分かって来たんですね。
 胸が膨らむなら、200でも300でも良いと?
 メーカーの方でも、こうした事があるので、いわゆる“マニュアル”を渡さないで、「個々のケースに応じて、各自、先生のご判断で、使用してください」という事を言う様に成った。
 ヒドイ話ですが、「勝手にヤレ」という事でもある(^^;
 売りっぱなしで、「オレは知らん」と?

 この文献の記載数値と、実際の機械の設定に、つくづく悩まされまして、周囲に、こういう事に答えられる先生も居りませんで、こうした術中管理の方法は、ずいぶん勉強する事に成りました。

 大事なのは数字じゃなくて、実際の患者をよく観察しながら諸々を調節する事・・・だった訳です。

2012-09-27 08.46.44

 この何年も手に取る事無く、本棚で“お飾り”になっていた獣医学書。これらは、pdf化する事なく廃棄。
 本物のスライドなんて、今では懐かしいですね。
 
 

comment

管理者にだけ表示を許可する

Re: シェア。

あ、どうぞ、おかまいなく。

本当にだいぶ悩んだんですが、車中で待たせた場合、パチンコ店と同様、子供の置き去りによる熱中症の事例を経験された先生のお話なんかも出てまいりまして・・・
僕の所の様に、少人数で細々とやっている限り、“目が行き届かない”という問題から逃れる事は出来ません。思い切ってみました!

シェア。

凄い決断をされましたね。
子供達の行動や、それをコントロールできない大人達には僕も前からイライラしていました。
この記事をFBにシェアしても良ろしいでしょうか?

補足しておくと、将来、本当に、そういった“大人の遊び場”みたいな病院を作れないか、考えているんですけどね・・・
プロフィール

わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
検索フォーム
QRコード
QR