学校飼育動物におもう


わたらい先生の憂鬱-角膜穿孔
 初めから、「ヒドイ」という先入観を持って事に当たらなければ、怒り出すか傷つくかしてしまうのが、学校飼育動物の診療なのかもしれない。


 飼育施設内での、ウサギの目の損傷は、割とポピュラーなトラブルと言える。

 ケージ等への衝突。

 他のウサギによる蹴傷。

 場合によっては、咬傷もか?

 ウサギを、あるいはイヌやネコでも、飼った事のある人なら、この治療(→)に何日かかって、イクラくらいだろうと・・・雰囲気(安い方か、高い方か)くらいは分かるだろう。


 緑内障を疑うとか、他の可能性も考慮に入れるのだけれど、衝突による眼球突出の認められるウサギの、眼球の乾燥を防ぐ意味で、点眼薬を処方、点眼を指示。

 驚くなかれ、当の小学校の先生は、ウサギが怖くて触れないと言った。

 ちなみに、土曜日や日曜日は、小学校は休みである。

 忘れた頃に、同じ小学校の別の先生から連絡があり、いよいよ眼球が乾いてダメになり、当時話していた様に、摘出をどうしよう(?)、お金をどうしよう(?)という話を、相談された。

 嘘か誠か、どなたの発言か知らないが、そのウサギを、人目に付かない場所に捨ててくるのが良いんじゃないかと言っているヒトが居る話を、聞かされる。


 共通項になるのは、学校飼育動物の治療予算が無い事、飼育の知識が無い事、服薬指導の通りに薬を与える環境が整っているとは限らない事。

 意識の低さ。

 無知。


 2007年の夏頃にかけて、40頭近いウサギの避妊去勢を、無料で実施した。

 僕が得た報酬は、後日、幸いにも、過去に遡っていただける事になった、獣医師会からの助成、5,000円。

 これだって、本来払うべき所とは、全く、何の関係も無いお金。


 今度は別の小学校で、70頭だそうである。


 担任の先生が、70頭分の避妊去勢の手術料金を、理解していなかったのは、いつもの通り。

 原価を考え、僕が個人で行うボランティアの範疇を、すっかり逸脱しているなと思う。

 都市部での話であれば、何軒かの動物病院で分担する事もあっただろうけれど、田原市内で、そういう話に乗る気の動物病院は無いし、あったとしても、桁が違いすぎる。


 どこの小学校でも、よほど大きな飼養施設を持っているのでなければ、3~5頭飼えば、いっぱいになってしまう飼養施設が、ほとんど。

 一腹で、産まれるウサギは3~5頭。

 たった1頭の雄と、4頭の雌を一緒にして、いい塩梅に増え始めれば、半年後には飽和、毎日の様に死んだウサギの死体を焼却炉に放り込むのが、子供達の仕事になる。

 当然、汚れや異臭も、目を覆うばかりになっている。


 そんなウサギを・・・触ったり可愛がったり、したいのだろうか?


 「子供達に、陰惨な仕事をさせたり、慣らしたりする事を教育としないでください」


 子供なんか居ない、結婚もしていない、そんなニンゲンでも、これくらいの事を、教師達に言っても許されると思う。


 同時に同じニンゲンは、ヒドイ事を告げる。

 70頭にもなるウサギの群れ、これ以上増やすべきでないウサギ達。

 費用の問題がクリアされない場合、それでも、費用をかけずに処分を引き受けてくれる可能性のある施設。

 動物管理センターの紹介。


 注意。

 子供達にウサギの子供を引き取らせる時に、1頭以上渡さない事。

 雌雄の区別も曖昧で、バースコントロールなぞ理解出来ない子供達が飼うので。

 70頭の内、何頭を、児童達の家に、持ち帰らせる事が出来るのだろう?


 雄同士のケンカを初めて見たという先生。

 ウサギは飼うべきではないのか(?)と、質問してくる先生。

 僕は、メダカやカブトムシの方が適していると、答えた。


 間引きに抵抗を示す先生。

 捨てて来るという先生。

 手術や間引きを児童に説明出来ない先生。

 認識の甘さ、実感の無さ、危機感の欠如。

 転がっているパーツは、いつもそれくらい。


 病院の女の子に聞いてみる。

 「今年こそ払えそうなボーナス、無しになっていいか?」と。


 今度やるとしたら、無償ではやらない。

 それだけは主張してみるのだけれど、自分の心が冷えるだけ、つまらない。

 

comment

管理者にだけ表示を許可する

4. 初めまして。

いつもブログを読ませて頂いております。
考えさせる記事や、少しホッとするような記事など知らない事を知る事が出来る良い機会になっております。

今回のウサギの記事には大変ショックを受けました。私の通っていた小中高では飼育小屋がなかったために、知らない事実でした。
こんな事が日常化されていたら、他人に優しく出来る子供が育つのは難しいのではないかなと思いました。
何か生き物を飼う場合には、その子に起こりうるたくさんのリスクを考えてからにしないと、人も動物も傷つきますね。
私はずっと犬猫と育って、今は賃貸ですので動物を飼う事は出来ません。
さみしく思う反面、共働きでは飼われる方も迷惑だと思うので今はもう少し時期を待ちたいと思います。

いろいろ思いつくままにコメントしてしまい、読みづらかったらすみません。
いきなりのコメント、失礼いたしました。

3. 無題

新聞に投書するなど、マスコミを利用して
学校での動物飼育の現状を広く知らしめては
いかがでしょう。
学校の先生方が動物を持て余していることは
周知の事実ですが・・・。

教育委員会のコメントもぜひ聞いてみたいところです。未来を担う子供達の教育が大切なら、
何か手を打っていただかねば。

2. 出番?

学校飼育動物の〇川センセに連絡してみるとか?少なくとも、学校への啓蒙活動はなんとかしてくれるかも。
1人じゃ太刀打ちできない事です。
センセ1人で背負うことじゃない。
ウサギ 学校飼育動物には適しません。
あちらでもこちらでも、第3者が見かねて介入している事多し。
役所を巻き込むとか、下駄を預けちゃうとか(^^;;

1. 無題

40頭、70頭という数字に驚いて、子供達に小学校でそんなにうさぎを飼っているのかと聞いてみると、「たまに名前を募集する事があったから、もしかして間に死んでいるかもしれないけど、ずっと2匹しかいなかったと思うよ。」と。
そこらへんは、うちの学校はきちんと管理されていたようですね。
一方でどうしてそんなお話があるのか・・・。
ツケは、どこにまわすというのでしょう。。。(*´Д`)=з
プロフィール

わたらい先生

Author:わたらい先生
ま、いいじゃないか(^^;

リンク
カテゴリ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
検索フォーム
QRコード
QR